ラグビーの各国代表(ナショナルチーム)には、それぞれ愛称が付けられています。

もっとも有名なのは、ニュージーランド代表のオールブラックスでしょう。

ラグビーを知らない人でも、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

この記事では、主要な国の愛称とその由来を一覧でまとめました。

由来をたどっていくと、ジャージの色やエンブレムから付いたもの、国のシンボルとなる動物や花から付いたもの、さらには記者の勘違いがそのまま定着してしまったものまであります。

チームごとに由来も解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

【早見表】各国代表の愛称一覧

愛称由来世界ランク
日本ブレイブ・ブロッサムズ桜のエンブレム
ニュージーランドオールブラックス全身黒のジャージ
南アフリカスプリングボクススプリングボック(動物)
オーストラリアワラビーズワラビー(動物)
アルゼンチンロス・プーマスプーマ(記者の勘違い)
イングランドレッドローズエンブレムの赤いバラ
アイルランド(愛称なし)エンブレムはシャムロック
スコットランド(愛称なし)エンブレムはアザミ
ウェールズレッドドラゴンズ国旗の赤い龍
フランスレ・ブルー青いジャージ
イタリアアズーリ青いジャージ
フィジーフライング・フィジアンズ協会が考案した名前
サモアマヌ・サモア伝説の戦士(諸説あり)
トンガイカレ・タヒ海の鷲(ウミワシ)
ジョージアレロス民族競技「レロ」
アメリカイーグルスハクトウワシ
カナダメイプルリーフスカエデの葉(国旗)
ウルグアイロス・テロス国鳥とされるテロ
ナミビアウェルウィッチアスウェルウィッチア(植物)
ロシアベアーズ熊(動物)
ポルトガルオス・ロボスイベリアオオカミ
チリロス・コンドレスアンデスコンドル
スペインロス・レオネスエンブレムのライオン
ルーマニアオークスエンブレムの樫の葉
ジンバブエセーブルズセーブルアンテロープ

日本代表「ブレイブ・ブロッサムズ」

ラグビー日本代表の愛称はブレイブ・ブロッサムズ(Brave Blossoms)

「勇敢なる桜の戦士たち」という意味です。

日本代表のジャージを着たラガマルくん

由来は、ジャージの胸に付く桜のエンブレム

このエンブレムにちなんで、海外メディアはかつて「チェリー・ブロッサムズ」と呼んでいましたが、それが「ブレイブ(勇敢な)」に変わったのは、2003年のラグビーワールドカップになります。

連戦連敗の弱小国だった日本代表が、伝統国のスコットランド代表を追い詰め「勇敢な戦いを見せたこと」がキッカケで、BRAVE BLOSSOMS(勇敢なる桜の戦士たち)と呼ばれるようになったのです。

南半球の強豪

ニュージーランド代表「オールブラックス」

世界最強と称されるニュージーランド代表の愛称はオールブラックス(All Blacks)

その名のとおり、全身黒のジャージに由来します。

ニュージーランド代表のジャージを着たラガマルくん

実はこの由来には諸説あり、最も長く語り継がれているのは、1905年の英国遠征の際、試合の様子を報じたイギリスの新聞が、印刷の際に誤って記載してしまった(誤植)という説です。

本来は「オールバックス(All Backs=全員がバックスのよう)」とすべきところを「オールブラックス(All Blacks)」と印刷してしまったとのこと。

ただし、その証拠となるものは残っておらず、また「オールブラックス」という呼び方自体は1893年にも存在していたため、真実は定かではありません。

南アフリカ代表「スプリングボクス」

南アフリカ代表の愛称はスプリングボクス(Springboks)

南アフリカに生息する俊敏な動物「スプリングボック」が由来となっています。

南アフリカ代表のジャージを着たラガマルくん

こちらも諸説ありますが、1906年のイギリス遠征の際、現地メディアに勝手な愛称を付けられることを警戒して、自ら名乗り出たのが始まりとされています。

オーストラリア代表「ワラビーズ」

オーストラリア代表の愛称はワラビーズ(Wallabies)

ワラビーはオーストラリアを代表する動物の一種で、カンガルー科の小型動物です。

1908年の英国遠征の際、イギリスの新聞に「ラビッツ(ウサギ)」と呼ばれたことを嫌った選手たちが、投票で自ら「ワラビーズ」と名乗ったのが始まりとされています。

オーストラリア代表のジャージを着たラガマルくん

ちなみに、オーストラリアでは15人制ラグビーの他に「13人制ラグビー(ラグビーリーグ)」も人気で、このラグビーリーグのオーストラリア代表のことを「カンガルーズ」と呼んでいます。

アルゼンチン代表「ロス・プーマス」

アルゼンチン代表の愛称はロス・プーマス(Los Pumas)

スペイン語で「プーマたち」という意味です。
("Los"は英語でいう"The")

アルゼンチン代表のジャージを着たラガマルくん

アルゼンチン代表のエンブレムには、もともと中南米に生息する「ジャガー」があしらわれていましたが、愛称は「ジャガー」ではなく「プーマ」となっています。

これは、1965年にアルゼンチン代表が南アフリカ遠征に行った際、現地で取材していた記者がエンブレムの動物を見分けられず「プーマ(英語圏ではピューマ)」と報じてしまい、それがそのまま広がったとされています。

なお、2023年にはエンブレムが変更され、現在はプーマに近いデザインになっています。

北半球の強豪

イングランド代表「レッドローズ」

意外に思われるかもしれませんが、イングランド代表に正式な愛称はないとされています。

ただ、ジャージのエンブレムに描かれたイングランドの国花「赤いバラ」が印象的なことから、一般には「レッドローズ」と呼ばれています。

イングランド代表のジャージを着たラガマルくん

なお女子代表は2016年に Red Roses を正式な愛称として採用しており、こちらは公式の呼び名です。

アイルランド代表 ── 愛称なし

アイルランド代表にも定着した愛称はありません。

エンブレムは、アイルランドの国花として親しまれているシャムロック(三つ葉のクローバー)です。

アイルランド代表のジャージを着たラガマルくん

なおアイルランド代表は、アイルランド共和国とイギリス領の北アイルランドが合同で1つのチームを組んでいます。

スコットランド代表 ── 愛称なし

スコットランド代表にも定着した愛称はありません。

エンブレムは、スコットランドの国花であるアザミ(キク科の植物)です。

スコットランド代表のジャージを着たラガマルくん

ウェールズ代表「レッドドラゴンズ」

ウェールズ代表の愛称はレッドドラゴンズ(Red Dragons)

ウェールズの国旗に描かれた赤い龍が由来です。

ウェールズ代表のジャージを着たラガマルくん

フランス代表「レ・ブルー」

フランス代表の愛称はレ・ブルー(Les Bleus)

青いジャージが由来です。

フランス代表のジャージを着たラガマルくん

オールブラックス(黒)のように、ジャージの色から愛称が付けられた例は多く、フランス代表もジャージが「青色」であることから「レ・ブルー」と呼ばれています。

フランス語の「Les(レ)」は、英語でいう「The(ザ)」。

ちなみに、サッカーのフランス代表も同じくレ・ブルーという愛称です。

イタリア代表「アズーリ」

イタリア代表の愛称はアズーリ(Azzurri)

イタリア語で「青」を意味するアズーロ(azzurro)の複数形です。

イタリア代表のジャージを着たラガマルくん

イタリアでは、サッカーをはじめ多くの競技の代表チームが青いユニフォームを着ることから、競技を問わず代表チームはアズーリと呼ばれています。

なお代表選手1人のことは、単数形の「アズーロ(azzurro)」と呼びます。

太平洋諸島の3カ国

フィジー代表「フライング・フィジアンズ」

フィジー代表の愛称はフライング・フィジアンズ(Flying Fijians)

「空飛ぶフィジー人」という意味で、宙を舞うような変幻自在のプレースタイルが由来と言われています。

フィジー代表のジャージを着たラガマルくん

ちなみにフィジーの新聞によると、実際は2000年代初めにフィジー協会がチームのブランドとして考案した名前で、第二次世界大戦中の戦闘機に書かれていた「The Flying Fijian」という名前がヒントになったと言われています。

サモア代表「マヌ・サモア」

サモア代表の愛称はマヌ・サモア(Manu Samoa)

マヌはサモア語で「獣」や「鳥」を意味し、試合前のウォークライ「シヴァタウ」の歌詞に由来すると言われています。

サモア代表のジャージを着たラガマルくん

ただ、ワールドラグビーの公式サイトでは「マヌ」は「尊敬を集める人」を意味し、サモアに伝わる伝説の戦士が由来だと紹介されています。

トンガ代表「イカレ・タヒ」

トンガ代表の愛称はイカレ・タヒ(Ikale Tahi)

「イカレ」が鷲、「タヒ」が海で、「海鷲(ウミワシ)」という意味です。

トンガ代表のジャージを着たラガマルくん

なおエンブレムに描かれているのは海鷲ではなく、平和を象徴する白いハトです。

そのほかの国々

ジョージア代表「レロス」

ジョージア代表の愛称はレロス(Lelos)

これは、ジョージアに古くから存在していた、ラグビーによく似た民族競技「レロ」から付けられました。

現代のジョージアでは、「レロ」という言葉は「トライ」という意味でも使用されています。

ジョージア代表のジャージを着たラガマルくん

アメリカ代表「イーグルス」

アメリカ代表の愛称はイーグルス(Eagles)

国鳥であるハクトウワシに由来します。

アメリカ代表のジャージを着たラガマルくん

カナダ代表「メイプルリーフス」

カナダ代表の愛称はメイプルリーフス(Maple Leafs)

メイプルとは英語で「カエデ」、リーフは「葉」のことを指します。

国旗に描かれたカエデの葉が由来で、現在のエンブレムも、カエデの葉に「RUGBY」の文字を入れたデザインとなっています。

カナダ代表のジャージを着たラガマルくん

ウルグアイ代表「ロス・テロス」

ウルグアイ代表の愛称はロス・テロス(Los Teros)

ウルグアイの国鳥とされるナンベイタゲリ(現地名:テロ)が由来です。

テロは卵を守るために外敵へ果敢に立ち向かう鳥で、その警戒心の強さと勇敢さから名付けられたと言われています。

ウルグアイ代表のジャージを着たラガマルくん

ナミビア代表「ウェルウィッチアス」

ナミビア代表の愛称はウェルウィッチアス(Welwitschias)

ナミブ砂漠に生える植物ウェルウィッチア(和名:キソウテンガイ)に由来し、ナミビアの国章にも描かれています。

ナミビア代表のジャージを着たラガマルくん

ロシア代表「ベアーズ」

ロシア代表の愛称はベアーズ(Bears)

ロシアを象徴する動物で、エンブレムにも使用されているが由来です。

ロシア代表のジャージを着たラガマルくん

ほかにも知っておきたい5カ国

いずれもワールドカップへの出場経験がある国々です。

ポルトガル代表「オス・ロボス」

ポルトガル代表の愛称はオス・ロボス(Os Lobos)

ポルトガル語で「狼たち」という意味で、ポルトガルに生息するイベリアオオカミが由来と言われています。
("Os"は英語でいう"The")

チリ代表「ロス・コンドレス」

チリ代表の愛称はロス・コンドレス(Los Cóndores)

スペイン語で「コンドルたち」という意味で、エンブレムにも描かれているアンデスコンドルが由来です。

アンデスコンドルは、チリの国章にも描かれている鳥です。

スペイン代表「ロス・レオネス」

スペイン代表の愛称はロス・レオネス(Los Leones)

スペイン語で「ライオンたち」という意味で、ジャージの胸のエンブレムに描かれているライオンが由来です。

ルーマニア代表「オークス」

ルーマニア代表の愛称はオークス(Oaks)

英語で「樫(オーク)の木」という意味で、エンブレムに描かれている樫(カシ)の葉が由来です。

ルーマニア語では「ステジャリ(Stejarii)」と呼ばれています。

ジンバブエ代表「セーブルズ」

ジンバブエ代表の愛称はセーブルズ(Sables)

アフリカ南部に生息するセーブルアンテロープが由来と言われています。

セーブルアンテロープは、長く湾曲した角を持つウシ科の動物です。

愛称の由来は4つに分けられる

タイプ代表例
動物スプリングボクス/ワラビーズ/イーグルス/ロス・テロス/ロス・コンドレス/オス・ロボス/ロス・レオネス/セーブルズ/ベアーズ/イカレ・タヒ(海鷲)/ロス・プーマス/レッドドラゴンズ(伝説上の生き物)
植物ブレイブ・ブロッサムズ(桜)/レッドローズ(バラ)/メイプルリーフス(カエデ)/オークス(樫)/ウェルウィッチアス
ジャージの色オールブラックス(黒)/レ・ブルー(青)/アズーリ(青)
文化・人物
・逸話
レロス(民族競技)/マヌ・サモア(伝説の戦士)/フライング・フィジアンズ(戦闘機の名前)

圧倒的に多いのが「動物」です。

一方で、ロス・プーマスのように記者の勘違いから生まれた愛称がそのまま定着しているのも面白いところです。

まとめ

  • 日本代表はブレイブ・ブロッサムズ(勇敢なる桜の戦士たち)
  • 由来は動物・植物・ジャージの色・文化や逸話の4系統。もっとも多いのは動物
  • アイルランド・スコットランドに愛称はない。イングランドにも正式なものはなく「レッドローズ」は通称

愛称を知っていると、試合の見え方が少し変わります。

実況が「ワラビーズのトライ」と言えばオーストラリア、「スプリングボクスの勝利」と言えば南アフリカのことです。

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