ティア(tier)とは
ティアとは、ラグビーの国や地域を実力や伝統によってグループ分けした、いわば階級のことを言います。
ティア1(強豪国)、ティア2(中堅国)、ティア3(発展国)の3段階に分けられ、英語の「tier(段・階層)」が語源です。
テストマッチの結果で毎週のように順位が変わる世界ランキングとは違い、ティアは強さだけでなく伝統や格式も考慮した分け方のため、顔ぶれがほとんど入れ替わらないのが特徴でした。
そのため、強豪国同士の定期的なテストマッチはティア1の国同士で組まれることが多く、ティア2以下の国にとっては、強豪国と戦う機会そのものが少ないという課題もありました。
ティアは2021年に正式に廃止された
実は、このティアの区分は、ワールドラグビーによってすでに廃止されています。
ワールドラグビーは2021年5月、約20年続いてきたティアの区分をやめ、競技力・普及・財政面の基準にもとづく新しい5つの区分に置き換えると発表しました。
- ハイパフォーマンス(High Performance)
- パフォーマンス(Performance)
- デベロップメント(Development)
- グロース(Growth)
- メンバーシップ(Membership)
なお、ワールドラグビーの国際試合に関する規定では、直近のラグビーワールドカップに出場した20の協会を「ハイパフォーマンスユニオン」と定めています。
ただし、今でもメディアやファンの間では「ティア1」「ティア2」という言葉がよく使われるので、意味を知っておくと、ラグビーのニュースがより分かりやすくなります。
ティア1(ラグビー強豪国)
ティア1は、世界のラグビーをリードしてきた伝統国のグループです。
北半球の「シックスネーションズ」に参加する6か国と、南半球の「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」に参加する4か国の、合わせて10か国が一般にティア1と呼ばれてきました。
| 国 | 参加している大会 |
|---|---|
| シックスネーションズ | |
| シックスネーションズ | |
| シックスネーションズ | |
| シックスネーションズ | |
| シックスネーションズ | |
| シックスネーションズ | |
| ザ・ラグビーチャンピオンシップ | |
| ザ・ラグビーチャンピオンシップ | |
| ザ・ラグビーチャンピオンシップ | |
| ザ・ラグビーチャンピオンシップ |
ちなみにアルゼンチンは、もともとティア2とされていましたが、ワールドカップでの躍進が認められ、2012年から「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」に参加したことで、ティア1の仲間入りを果たしました。
ティア2(ラグビー中堅国)
ティア2は、ワールドカップに出場する力を持つ中堅国のグループです。
日本をはじめ、フィジー・サモア・トンガ・ジョージア・アメリカ・カナダ・ウルグアイ・ルーマニアなどが、一般にティア2と呼ばれてきました。
ティア1の壁は厚く、ワールドカップで決勝トーナメントに進むこと自体が大きな快挙とされてきましたが、日本は2019年大会で初のベスト8に進出し、フィジーも2023年大会でベスト8に入るなど、その差は年々縮まっています。
ティア3(ラグビー発展国)
ティア3は、ティア1・ティア2以外の国や地域で、これからの普及と発展が期待されているグループです。
ワールドラグビーに加盟している国・地域の多くがここに含まれ、アジアからは香港や韓国などがこのグループと見なされてきました。
ティアの壁を越える新しい国際大会
2026年からは、強豪国と中堅国の関係を大きく変える新しい国際大会が始まりました。
それが、2年に1度開催される「ネーションズチャンピオンシップ」です。
シックスネーションズの6か国と、ザ・ラグビーチャンピオンシップの4か国に、招待国の日本とフィジーを加えた12か国が、北半球と南半球に分かれて戦います。
日本は2030年大会までの参加は決まっており、かつてのティア1の国々と定期的に真剣勝負ができる立場になりました。
一方、それ以外の12か国は、同じく2026年に始まった「ワールドラグビー・ネーションズカップ」で戦います。
2つの大会の昇格・降格については、2030年大会以降に検討されることになっています。
まとめ
- ティアとは、ラグビーの国や地域を実力や伝統で分けた階級のこと
- ティア1(強豪国)・ティア2(中堅国)・ティア3(発展国)の3段階
- ワールドラグビーは2021年にティアを廃止し、新しい5つの区分に置き換えた
- 2026年からはネーションズチャンピオンシップが始まり、日本も強豪国と定期的に戦えるようになった
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